季節と節句

節句って?

節句とは、本来は節日(せちにち)に神に供える物、つまり「節供(せちく)」を指しましたが、次第に節日そのもののことを言うようになりました。用字に「節句」を当てるようになったのは、1年間の生活の区切りという意識があったからで、室町から江戸時代ころからと言われています。しかし、1年の生活の節日が神を迎えまつる日であったことを考えると、「節供」が正しいと言えます。

もともと奈良時代に中国に学んだ五節句は、日本の稲作を中心とした生活の中で、季節と風土に馴染みながら今まで受け継がれてきました。興味深いことに、それぞれの節句は、必ず特定の植物と深く結びついています。それらの植物はみな、当時の薬用植物でした。昔から日本人は、節目を尊び、その折々に健康を祈ってきたのがわかります。現在では、五節句に神を迎えるという意識は薄れ、姿はかわってきましたが、今でも各地で祝われる節目の行事。大切に残してゆきたいものです。

五節句

1月7日七草の節句
3月3日桃の節句
5月5日菖蒲の節句
7月7日棚機の節句
9月9日菊の節句