五月人形

端午の節句に飾られる人形で、金時、鍾馗や歴史上の武将や英雄をかたどった武者人形のことです。鎧・兜飾り甲冑なども同様に飾られ、これらをひとまとめにして五月人形と呼びます。古来、端午の節句には野外に飾兜(菖蒲兜)や模造の槍、薙刀、幟などを飾る習慣がありましたが、近年になって、鯉のぼりなど一部を除いてほとんどが座敷飾りとなりました。京都で生産される節句用の鎧兜は、京甲冑の技法を汲んで、本物の甲冑をほとんどそのままミニチュア化している点で芸術的価値も大変高いものです。

五月人形いろいろ

どんな種類があるの?なぜ飾るようになったのか?五月人形についてご説明します

【鍾馗】
唐の玄宗皇帝の夢に登場した伝説の人物だそうです。夢の中の鍾馗は、楊貴妃の宝を盗まんとする鬼を追っぱらったんだそうです。そして、病に伏していた皇帝が、この夢から覚めると全快していたんだそうです。京都では、この故事にならい、家にふりかかる邪気を打ち払う魔除けとされています。不動明王なみの恐い形相。これが邪気を打ち払う秘訣なのかもしれません。

【桃太郎】
猿、雉、犬をお供に鬼退治をした昔話で親しまれている桃太郎は、少年が出世して智、勇、仁にすぐれた大将になったことにちなんで飾られます。また、鬼を退治した桃太郎は、鬼(わざわい)を追い払ってくれるという意味合いもあります。

【金太郎】
「金」印の腹掛けに、鉞かついだ金太郎さんには、実在のモデルがいます。源頼光(平安中期の武将)に仕えた四天王と呼ばれる屈強の武士の1人で、坂田金時といいます。金太郎さんは、坂田金時の幼少時代の姿なのです。伝説では、山姥と雷神の間に生まれた子と言われ、坂田金時の出身地といわれる神奈川県には、今でも金太郎さんにまつわる昔話や縁りの名所が残っています。