市松人形

やまと人形とも呼ばれるこどもの姿をした衣裳着人形で、関西では「いちまさん」の愛称で親しまれてきました。男女の姿があり、男の子は羽織袴の正装、女の子はおかっぱ頭に振袖が一般的です。江戸時代、市松模様で知られる歌舞伎役者・佐野川市松の顔に似せられて作られたためこの名があります。人形自体のルーツは、子どものお守りであった天児や這う子のかわりとして作られたもののようです。子どもの災厄を代わりに背負ってくれるため、「身代わり人形」とも呼ばれました。衣裳の着せ変えが可能で、手足は屈伸自在になっており、立たせたり座らせたりのポーズをとらせることができるため、日本人形の中でも、観賞用のみならず愛玩用としても人気があります。

男女一対の市松人形